仲間と過ごす喜び

「今日は、バナナ鬼あやりたい。」「僕は、爆弾鬼。」「色鬼が良いなぁ。」と、年少組も一人一人が好きな遊び、やりたい遊びを伝える事ができるこの時期。チームを2つに分ける時の事(鬼チーム:白帽子、逃げるチーム:カラー帽子)である。年少組は白帽子の鬼チームが案外人気なのだ。すると、「誰かカラーさんに移ってくれる優しい子はいないかな~?」と、担任の口調をトーンまでそっくりにリーダー役になってくれる姿に思わず笑ってしまった。日頃の話を良く聞いて、特徴を自然に捉えている。何度か繰り返し遊び、チームも変わる。「〇チーム集まれ~。」と円陣を組み、その間に帽子の色も変えるのだが、今までこちらが教えていた事も「こっちはカラーだよ!帽子の色を変えて。」と、子どもから気づきテンポ良く進める。そして走る距離や視野も広がる分、気を抜いて走ると、どこからともなくひよっこり現われ捕まってしまう。一方では、仲間を引き連れて4.5人で走り回っていたり、同じチームの子を助ける時も、相手チームに捕まらないタイミングを見計らっている姿がある。転んだって、泣く時間はもったいないないからすぐさま走る。「助けてー!」と、入園当初、あんなに大人しかったのに…と思う子が、大きな声でアピールし、カラを破って自分を出せている。
 年中組は、こま回しに目を向ける子が多い。「男は諦めない‼」そんな一声が上がれば、周りの子も刺激され「そうだ、頑張ろう。」と気合いが入る。回数を重ねて自分なりの成功を見つける子や、友達のやり方を習得しようとする楽しみ方は様々だ。こまにあまり興味のない子は集団遊びをしているのだが、1月は職員こま大会があるので、担任も時折集団遊びや、こまの指導から抜け、年長の担任や子ども達、他学年の担任と真剣勝負をしている。そんな中、色々なクラスが混ざり、こま回しをしたり、クラスの仲間と集団遊びを続けられ自立してきている。これは喜ばしい成長であり、大きな活力となっている。職員こま大会当日は「〇先生頑張って‼」と年長組に負けない程熱い声援でクラス一丸となっていた。結果、年長職員が優勝したが、大きな声援はどの担任も力となったであろう。
 年中組と年長組でドッチボールをしたある日、理解がまだ浸透していない年中の子に対し「当たったらあっちの外野に出て‼」と教えてあげたり、同じクラスの子を当てる時は全力で狙うのに、年中組には手加減して投げる優しさが見える。内野・外野ともに、動きの速さはさすが年長と思える事が多々あり、内野が相手チームを次々に当てる時、内野の人数が減って負けそうな場面では外野にパスを回して仲間を戻せるようにする等、その頃合いを良く見極めている。ボールの取り合いになると、周りから正しい判断をされる事もあれば、正しい判断を返し「いいよ、あげる。」と譲り合い、遊びそのものが濃い年長組。異年齢交流から得られる事も糧となっていく。また、こま回しでは「先生と僕のこま、顔に見える。」と近くの葉っぱで鼻をちょこんと置き「ほんとだ!」と「次は3つね。」と今度は口を加えて落とす位置を調整し、遊びの中でも感性が磨かれている。遊びに集中するたくましい表情を見ると、一年の終わりを感じるのである。
 この様に、全ての学年が手応えを感じ、一層充実感を味わえる3学期。絵画指導の古澤先生が「ふたばの子ども達は表現力が豊かで、良く個性がでている。」と褒めてくれる。その根底には、体をフルに使うだけでなく、頭や目も沢山働かせ、集団遊びを楽しむ集中力、遊びからの学びや、仲間との関わりから育み合い、担任と大いに笑い、心豊かで、強くなっていく事が表現力にも結びつくように思える。やはり遊びの影響力は大きい。このクラスの仲間や担任と過ごす時も、残りわずかである。
進級、卒園に向け一人一人最後の支援を担任は努めている。

冬到来
冬休み明けから、寒さが一段と厳しくなり、吐く息の白さを感じたり、うさぎ小屋付近の斜面には霜柱ができていて、ザクッザクッと踏みしめている。あるクラスでは、2~3cmの水を洗面器にはり、数日後、氷が出来ている事に驚き、冬の自然に触れながら過ごしている。
先日、雪予報で朝からチラチラ降ったり止んだり…昼頃には、見る見る園庭も真っ白になり、雪景色に変わっていく。「やったぁー、雪だぁー!」と両手を広げながら空を見上げ、大きな口を開けながら雪を口にしたり、ただ嬉しくて笑顔で走り回る子もいれば、寒そうに背を丸め目をショボショボさせ立ちすくんでいる子もいた。4年ぶりの大雪となり、翌日の臨時休園明けから、残った雪で雪合戦を始めたり、氷のタワーや(砂場にできた氷の板を重ねていく)、雪山をダンボールを使って滑ってみたり、季節ならではの楽しみを味わう事が出来た。

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