育ちの芽

担任が朝バス乗車しているクラスは、私が(飯岡)が入り、一緒に遊んで過ごしている。
夏休みが明けて心身共に成長し、久しぶりに顔を合わせた子ども達、各学年、着々と力が加わり、新たな発見が起こっていることを実感。そんな様子をお伝えします。

《年少組》
2学期がスタートして日も浅かった事から、泣いて登園する子、クラスで流行りだした遊び、ルールをよく理解し浸透している遊び、など事前情報を担任から得て子ども達を迎える。
ある日、年長泊まり会の劇で使った被り物が置いてあったので、年少児の緊張や不安を緩和する為、それを被って、迎える作戦で望んでみた。
「キャハ。」と笑い「おはよう。」と返事を返す子、「あれれ?」とちょっと引き気味で見つめる子。「それは〇先生のだから使っちゃダメじゃない?」と言い出す子も。(クラス内で先生の物は大事な物もあるから触らない約束がある。)私は「皆がニコニコ顔になる様に、ちょっとだけ借りるね。」と伝えた。
気持ちも少し和み、その後の支度では「今日のシールはどこ?」とたまにしか入らない私に自ら確認できる様になったことも成長である。スムーズに行える子も増え、いざ外に出て遊び決めをする。すると事前情報で得た遊びは、ほぼ出ず皆が「砂場!」と答える。(1学期私が入った時、砂場でおだんごやさんをしたことを覚えていた様だ。)予想外の展開になったが、この日は製氷皿を使いチョコレートやさんを楽しんだ。型出しのポイントを教えてあげると習得も早く、泣いて登園した子も、いつの間にか夢中になっている。一方、別の日の年少組では、バナナ鬼(2チームに分かれる鬼ごっこの一種)や「かくれんぼ。」「ピカチュウ探しやりたい!!(ごっこ遊びのことで、1学期初期に担任と遊んだもの)と次々声が上がり遊んだ。そこで嬉しい出来事が…1学期よくクラスから抜け出し、あまり友達との関わりを求めなかった〇くんが集団遊びに参加し皆と走っている。更にはケンカの仲裁まで行っていた。(年少児は言葉より手が先に出てしまうこともある。)ケンカ両者の気持ちを受け止め、仲直りをして無事に解決。また、仲裁に入った〇くんのおかけで「2人共痛い思いをしなかったよ。ありがとう。」とギュッと抱きしめた。〇くんは誇らしげな表情を見せ、再び遊びが再開した。

《年中組》
雨の日に入ったクラスのこと。ペットボトルが彩られた物があり、子ども達から「ボーリングをして遊んだ。」と教えてもらった。「じゃあ、これを使って輪投げをしようか?」と提案してみる。新聞を輪にして作り上げていくと、大量に使っている訳ではないものの、「〇先生が運動会で使う旗(遊戯の小道具のこと)を作るから皆に新聞持ってきてって言ってたよ。あまり使い過ぎないでね。」と〇くんから言われ「ハーイ、大事に使って遊ぼうね。」と答えた私。そして輪の部分は子どもと色を相談しながら、2色のテープで巻いていった。〇ちゃんはピンク、〇くんは緑が良いと進めていく中、最後の1本は3人がそれぞれ別の色の意見を出す。そこで側にいた〇くんが「じゃあ、3色にして、この輪が入ったら、特別にポイント2倍にしたら?」と、柔軟な発想である。「良いね。そうしよう。」とすっきり解決された。そして輪を渡す子、投げる子、輪が入ったら効果音を出す子など、自然に分担され動き出すのであった。
別の日の戸外で遊び決めの際、多数決で決まることが多い中、意見が分かれると、「最初〇〇をして、つまらなくなったら△△に変えて遊べば…」と良い具合に他者の意見を取り入れ、まとめながら進行する年中組である。

《年長組》
園から借りた物(どろんこパンツ、カラー帽子など)を返却する際、収納場所は大方理解しており、自立も兼ね所定の場所へ戻せている。「これはどこに返すの?」と聞かれ、「分からない時は先生の机かピアノの上に置いたら?」と助言をすると「ここには置かないでねって言ってた。」と言うので、「飯岡先生も知らないから、先生が戻ったら教えてもらってね。」と伝えると納得した〇くん。不明なことは理由を添え、ルールを守って動けるのはさすが年長組。
2学期に入ると驚くことが起きた。運動会練習も入ったことから、遊びの中でリレーをやりたがり勝利に向けて熱が入る。遊びと言えどもクラスの仲間を応援する真剣な目差しは胸が熱くなる。そんな中、元気に走っていた子が突然戻してしまった。私は、全学年活動的に遊んでいたので、処理するまでの間、他の子が踏まない様、周りの子に伝えた。するとその後、何も言っていないのに処理した砂の所をクラスの仲間が平らに埋めている。予測もしない協力体制には本当に驚き一杯ほめてあげた。そのお陰でリレーの続きがすぐに再開できたのだ。

この様に各学年、担任の話に耳を傾け、決まりを守ろうとする姿が見えてくる。そして集団の中で相手に気持ちや考えをぶつけ、嫌な思い、悲しい思いを経験しながら大人の力を借りたり、不要とし、自ら喜びや楽しみを見つけ出している。これは1学期の目標である担任との信頼関係の築きから担任主導でクラスを動かし、エネルギー全開で楽しむ水・泥遊びの心の解放を経て、個から集団へ移行していく。2学期は子ども達がリードしていく場面が多く見られてくる。それぞれの学年の遊びの種類も増し、その中で子どもの発言からクラス独自のルールが加わってみたり、一層関わりが深まっていく。そんなワクワクする日々を見守ることが出来る貴重な時を大切に保育しながら、1人1人が多くのことを収穫出来る様、過ごしていきたい。

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