2学期を振り返って

《年少》もちつき
「今度幼稚園でもちつきをするよ。」と話すと、「えっ?!皆でおもちを食べるの?」「ぺったんぺったんってするのだよね!」と目を輝かせ、楽しみにしている様子だった。もちつきの掛け声を決める時、「皆で魔法の言葉を言ったら、もっともっと美味しくなると思うんだ。どんなおもちになって欲しい?」と聞いてみる。こちらは「やわらかおもち・おいしいおもち」等が返ってくると思っていたが、子ども達からは「青いおもち!」「ハートのおもち!」「赤と黒にして、てんとう虫おもち!」とまさかの可愛らしい答えが返ってきた。クラスでは廃材でキネを作り、ソフトブロックをうすに見立てもちつきの練習を行うと、本番の様に真剣についており、「皆が頑張ってぺったんしたから、とっても美味しそうになってきたよ。」と声を掛けると、想像を膨らませ、「本当だ!食べたいなー!」とソフトブロックを覗き込んで話し、わくわくしている気持ちが伝わってきた。もちつき当日の朝、登園してすぐに「何かいい匂いがするよ!」「今日はもちつき本番の日だね!」と興奮気味な子ども達。園庭に用意された道具や機材に興味津々で、もち米からもちに変わる瞬間を見て「うわー!すごい!」と驚いていた。もちをつくクラスの順番が近づき、外で並び豆しぼりを付けてもらうと子ども達同士で顔を見合わせ「○○君かっこいいね。」「○○ちゃんも素敵だよ。」と嬉しそうに褒め合っていて、こちらまで笑顔になってしまう。本番は練習用のキネとは違い大きくて重いので1人で持つのは大変だったが一生懸命もちをつき、周りの友達も「○○ちゃん頑張れ!」と応援したり、力いっぱい「ぺったんぺったんぺたんこ!」と掛け声をしていた。中には寒さや緊張から泣いてしまう子もいたが、クラス皆でもちをつくことが出来、部屋に戻ると「早く食べたいな。」「美味しく出来たかな?」と嬉しそうな表情。そして、もちが届くと「もう、ほっぺた落ちちゃいそう!」と自分達でついたもちを食べられる喜びを感じ、ニコニコしながらバイキング形式で自分のお弁当箱に入れていた。苦手な子も「皆でぺったんしたおもちだから、ちょっと食べてみる。」と挑戦する姿が見られた。この様に初めての行事や活動に驚いたり感動したり、気持ちを素直に表現し、思い切り楽しんでいるのは、クラスの中で自分を出せる様になったからだと感じる。今後もそんな子ども達を温かく見守り、援助していきたい。

《年中》クリスマス
クリスマス会を迎えるまでに折り紙飾りを作り室内を装飾するのだが、皆でサンタクロースを作っていたときのこと。「サンタさんひげ生えてるよね。」「サンタさんの帽子、曲げた方がかわいいんじゃない?」「カラフルにするのはどう?」と思いを口々にし、赤だけでなく色々な色で作り個性豊かなサンタクロースが完成し嬉しそうだった。また、輪飾りを作る際には「キラキラかわいい方がサンタさん喜んでくれると思う!」「たしかに!」「金と銀を入れてピッカピカにしようよ!」とたちまち盛り上がり、皆で「赤・緑・金・銀…」と色の順番を決めたクラスもあった。折り紙を配ると早速折り目に沿って丁寧に切っていき順番に繋げていく。順番が分からなくなってしまったり、同じ色が続いてしまう子もいたが、「ここはこの色にするといいよ!」「私もう終わったから次に付ける色渡してあげるね!」とすかさず助け合う姿が見られる。男女問わずに手を差し伸べる姿はクラスの
絆も深まってきたこの時期だからこその光景だ。皆の輪飾りを繋げ、長くなったのを見て「わぁ~!きれい!」「すごい長いね!」と子ども達は大喜びだった。窓や黒板の上等、飾り付けをしながら「皆、見て見て!どう?」と声を掛けると「うわー!お部屋がクリスマスだ!」「もっと作ったらサンタさん早く来てくれるかもよ!」と声が上がり「じゃあ明日も作ろう!」とワクワクしながら次の日もクリスマス飾り製作を楽しんでいた。
そして迎えた当日。クリスマス会でサンタクロースが登場すると「サンタさーん!!」「本当に来てくれた!」と子ども達は大喜びでその後もゲームをしたり、劇を見たりと終始大興奮だった。部屋に戻るとさっきまでなかったはずのプレゼントが白い袋に入っており、「うわぁ!!」と最初に気づいた子の声をきっかけに「プレゼントだ!」「サンタさんが置いていってくれた!」と続々と周りに集まり目を真ん丸にし、嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねたり、表情は様々でとても可愛らしかった。「サンタさん、夏には皆のプレゼントのことを考えているんだって。」「サンタさんとっても大きかったなぁ。」「あれは180cm以上あるね!」と思わず笑ってしまう会話もあり微笑ましかった。それからというものクラスでは毎日クリスマスの話題で持ちきりで、サンタさんに手紙を書いたことやツリーやケーキの話をし、当日に向け子どもたちの期待は高まるばかりであった。交友関係も広がり子ども同士の会話にも盛り上がりを感じる。これは、行事に向けての日々や過程を共に過ごし経験してきたからこそだと思う。

《年長》こま回し
クリスマス会が終わり、「楽しかったね。」「サンタさんに会えたね。」と話しながら部屋に戻ると、ツリーの下に白い大きな袋が置いてあった。子ども達はそれを見て目を輝かせ「あ!何かあるよ!」「プレゼントかな?」とドキドキワクワクしている様子。袋を開けるとそれぞれの名前が書かれたプレゼントが入っており、「僕のどれかなー?」「○くんあったよ!」と友達と一緒に探してあげたり、名前を呼んで渡す場面も見られ、さすが年長だなと感じた。プレゼントのこまを見ると「やったー!こまだ!」「早くやりたいな。」という声が聞かれ早速こまを持って園庭に出た。年少・年中で遊んだ経験のある子も居れば、初めて触る子も居て、まずひもの巻き方から教えていくが「上手に巻けないなぁ。」「途中で取れちゃうんだよ。」と巻くところから一苦労。しかし子ども同士で「この紫のところにひもを付けて巻いていくよ。」とアドバイスしたり、「こうやってやるよ!」と手本を見せ、皆で真剣に取り組む姿があり、自分だけが出来て満足するのではなく、友達と一緒に頑張ろうとしていて大きな成長を感じた。いざ、「リーリーじゃんこのこままわし!」と回す時の掛け声でやってみると、ひもごと投げてしまう子やこまが転がっている子が沢山居た。そこで「たくさん練習したら、きっと上手くなるよ。」と子どもの気持ちを高める声掛けをした。翌日「僕少し回せるようになったんだ!」「家で5回も回ったよ!」と家でも練習した成果を嬉しそうに報告してくれた。また、「ねえ勝負しようよ!」「いいよ!」「僕も入れて!」と皆で対決したり、「先生も勝負しよう。」と言われ近くの子ども達と勝負をする。『まだ子どもには負けないだろう。』と思っていたが、1位を取られてしまった。「すごいよ!よく回るね!」と声を掛けると「だって公園で一杯練習したんだ!」との言葉を聞き、こちらもうかうかしてられない!と改めて感じた。練習をすればした分だけ上達するこま。初めて回った1回が子どもにとって大きな喜びとなり、その経験が「またやりたい!」という気持ちにさせてくれ、日に日に上手くなっている。年長のみこま大会があり、今から楽しみだ。
以前は先生と子どものやりとりが多かった。しかし様々な生活を通して子ども同士で教え合ったり助け合う場面が沢山増えたのも、友達との仲間関係が深まってきたからである。これからも皆で刺激し合いながら心身共に成長していきたい。

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