3ヶ月の経過

《年少組》
新しい生活は子ども達にとって毎日不安と緊張の連続だ。その為、担任は少しでも気持ちが和らぎ、楽しんで園生活を送れるようにと、毎日必ず一人一人笑顔で「おはよう」と声を掛けていく。同時にギュッと抱きしめたり、頬と頬をくっつけたり、くすぐったりと肌を触れ合わせながら挨拶をしていく。最初はスキンシップに驚き「おはよう」と言おうとすると後退りや首を横にふって嫌がる子、されるがままに棒立ちの子、照れてニヤッと笑っている子と反応は様々だ。しかし、毎日行う事でスキンシップを取った際、ギュッと返してくれたり、子ども達の方から「おはよう」とハグしたりと心が開き出し始める。「挨拶してくれて嬉しいな、先生元気でてきたよ。」と言うと周りにいた子ども達と挨拶合戦。もちろんハグなどのスキンシップも忘れない。皆で沢山スキンシップを取ると、さっきまで泣きそうだった子や不安そうだった子も気がつくと皆ニコニコ笑顔。「じゃあ、明日のおはようはコチョコチョにして。」「誰だ?ってやって。」とリクエストがあり、スキンシップの種類が増えていった。実際にする事で心の距離が近づき、大人しい子も自ら好きな物の話をしたり「○○して遊びたい!」と伝えて来る姿も見られるようになった。それは信頼関係が出来て来た証である。「1回だけ抱っこして。」と甘えて来る事もあるが、3ヶ月経った今、皆の笑顔も増えて来ている。これからも子ども達目線で楽しい活動を大いに取り入れて、信頼関係をより強い物にしていきたい。

《年中組》
初期の戸外遊びは、新入園児・進級児の両者ともいる為、ルールのある遊びよりごっこ遊びからスタートする。こちらが「あら、汽車の所にサメがいる!気をつけて!」と子ども達になげかけても想像遊びなのでぽかんと見ている子ども達が多い。それでも担任は「キャー!食べられた~。」「じゃあ今度は先生がサメだよ!皆を食べちゃうぞー。」と1人演技を続行。するとそんな担任のオーバーリアクションに『何だか楽しそう!』『自分もやりたい』という気持ちへと変化していき、1人また1人…と参加する。もちろん見ている子もいるのだが、ある日には新聞紙を棒にして魔法のステッキと称し、園庭をかけ回る。すると、「キュアホイップ!」などとテレビの必殺技や「りるりるビーム!」と自分流に言葉を考えて唱えてみたり、アイテムを持つことで役になりきる子もでてくるので、さらに遊びも盛り上がる。そんな風にごっこ遊びを通し、担任との距離を縮め心も解きほぐれてきた今は、ルールのある遊びをしている。「どろけいしたい人―。」「ハーイ!」と全員一致であっという間に遊びが決まる。また、やりたい遊びが2コ、3コある時は皆で多数決を取って決める。そんな姿を見ると、友達の中で少しずつ自分を出せてきている事を実感でき嬉しく思う。遊びの中でも以前は「ねー、ねー。」や「あの子。」など友達の名前がでる事はほとんどなかったが、3ヶ月経った今では「Aちゃん助けて~。」「B君待て~!」と積極的に名前を呼んでいる姿がある。クラスにも慣れ友達との仲が少しずつ深まってきているからだ。そして結果発表の時には、勝ったチームは「イエーイ!」とハイタッチをしたり、時には抱き合って喜び合う。一方、負けたチームも悔しながらも、再度皆で手を重ね合わせ「エイエイオー!!」と1回戦目よりも気合十分で挑む。そんな姿をそばで見ていると担任も負けてはいられない。子どもと共に遊びを思いきり楽しみ園庭をかけ回った後は、皆汗びっしょりなのだ。

《年長組》
進級当初は友達の名前すら分からず、昨年から知っている子と一緒にいる事が多かった。担任も沢山の子と関われる様に遊びのチームを混ぜたり、お弁当の席をくじびきにしてみたりときっかけ作りをしていく。1ヶ月程経つと「Aちゃん明日は一緒にシール交換しよう。」「うん!」「僕もポケモンシールあるよ。」「じゃあ皆で交換しよう!」「楽しみ~!」と話していたり「Bくんって缶蹴り本当に強いよね。」「そうそう、絶対蹴られちゃう!」「なんだか蹴り方もかっこいいしね!」「そうかな、へへへ。」と少しずつクラスの子の名前を呼び合う姿が増え、新しい友達とも関わる様子が見られてきた。一方でこちらが遊びのきっかけを作る事もある。ある日、子どもが「大きなロボットを作りたい!」と言ったので、担任が巨大なダンボールを用意した。「これを使って作ってみようよ。」と言うと「いいね!まずは顔を作ろう。」「目は穴を開けるといいかな。」「髪の毛はペンで描いちゃお!」「手と足は…」「牛乳パックをくっつけて作ってみたら?」「それいい!」「あとロボットなら光るライトが欲しいな!」と担任の一言から子どもが次々にアイデアを出し作業が進んでいった。出来上がったロボットで廊下を歩く子ども達、「うわ!なんか来た!」「ロボットだ~!」「でっかいな!中どうなってるの!」「誰が入ってるかな。」と他クラスの子も見に来て大盛り上がりだ。「僕達のクラスも今度やってみよう!」と楽しい活動を見る事で刺激を受け、遊びのイメージも膨らんでいく。3ヶ月が経ち、クラスの皆で1つの遊びを楽しめるようになってきたのは、友達との距離が縮まって仲間意識が芽生え始めたからである。今後も皆が協力し、意見しながら、行動できるクラスの環境作りをしていきたい。

タイトルとURLをコピーしました