帰りの時間

《年少組》
入園して2ヶ月が過ぎた。初めは不安がいっぱいだった園生活にも段々と慣れ、自分で出来ることも少しずつ増えてきている。午後の戸外遊びが終わると、皆で掃除をし部屋を綺麗にする。それも年少にとっては初めてのことで、最初の頃は雑巾を上手く絞れず、部屋が水浸しになることもしばしばあった。「雑巾さんが涙ぽたぽたしてるよ。」「ねじねじパン作ってみよう!」と楽しい声掛けをすると、少しずつ「雑巾さん、もう泣いてないよ!」「おいしいパンが出来た!」と自分で絞り嬉しそうな姿も見られるようになった。そして帰りの支度で一番難しいのは制服を着ることだ。入園したての4月は「先生出来ないよ~。」「どうやって着たらいいの?」となかなか自分で着ることが出来なかった。そこで制服の首もとのタグをおへそに付け「アンパンマーン!」の掛け声をし一緒にやっていくと、徐々に自分で着られる子も増え、今では「先生見てて!」と一人でやってみせてくれる子もいる。時には「出来たよ!」と嬉しそうに伝えにくるが、よく見てみると裏表逆で着ていたり、ボタンが掛け違っていたりと年少らしい微笑ましい場面もある。そんな時は「惜しかったね~。もう一回やってみよう!」と手を取り一緒に行ったりしている。また、支度が終わると「(七夕会の)飾りを作ったの楽しかったね!」「またやりたいね!」と短時間ではあるが皆で話をする時間も増えてきた。今後も日々の生活から子ども達に寄り添い、何気ない時間も大切に毎日を楽しみたい。

《年中組》
帰りの会のちょっとした時間は、クラスの皆と落ち着いて話をすることができる大切な時間だ。特に行事前はその話題で盛り上がることも多く、先日の小運動会までは「本番まであと何日かなぁ。」「早くプレゼント渡したいね。」と毎日のように声があがっていた。皆でカレンダーを見ながら“あと何日寝たら本番”とカウントダウンをし「もうあと5回寝たら(本番)だって!」「きゃー!早く早く!!」と心待ちにしている姿が微笑ましかった。また、学年競技である“当たりをゲット!”についても「今日は水色のあめが当たりだったね。」「この前は僕達のクラス、2回も勝てたのになぁ。」と練習を重ねルールを理解していくのと共に、悔しいという気持ちも生まれ、より真剣に競技に取り組もうとする姿も見られた。当たりのあめは毎回くじ引きをして決める為、その時まで何色のあめが当たりか分からないのだが「次やる時は何色が当たりかな?!」「最近ピンクが多い気がする!」「じゃあ次は…もしかして黄色?!」と子ども達同士会話をする様子が可愛らしいなと思うと同時に、4月頃と比べ、友達と話していく中で口数が増えたり沢山の表情を見られるようになり、少しずつ自分を出せるようになった子も増え嬉しく思った。行事の話だけではなく、その日あった出来事、その日に読んだ絵本の感想、共感したこと等、様々な声や意見が飛び交う帰りの会の時間がこちらも毎日楽しみである。これからも行事をはじめ日々過ごしていく中で子ども達と沢山の楽しい思い出を作っていきたい。

《年長組》
年長ともなると、担任の出番もなく問題を解決できることもしばしば…。ある日の帰りの時間、A君が「僕の水筒がなくなっちゃたんだ…。」と言った。それを聞いていた周りの子達がすぐに「どんな水筒なの?」「どこに置いたか覚えてる?」とA君に聞く。Bちゃんが「青色の水筒だって!皆で探そう!」と言うとクラス皆で水筒探しが始まった。「僕達は隣のクラスにないか聞いてみるよ!」「じゃあ私は靴箱の所を見てくる!」と素晴らしい連携で、次々にありそうな場所を自分達で考え見に行く姿はさすが年長である。無事に水筒は見つかりA君もほっと安心した様子。「皆探してくれてありがとう!」「どういたしまして!」と笑顔で解決。そこで、その様子を見ていた担任が「皆A君の水筒探してあげてとっても優しかったね。どうして探してあげようと思ったの?」と聞いてみる。すると「だってA君が悲しそうだったから。」「困っている子がいたら助けてあげなきゃ!」と答えが返ってきた。A君の気持ちに寄り添い行動に移し、困っている子を放っておくのではなく、優しい気持ちで接することが出来ていた。解決したから終わりではなく、その時の気持ちや行動を振り返り、クラス皆で共有することで良い刺激になり、一人一人の優しさがクラス全体に広がりより良い雰囲気を作っていく。毎日生活を共にしていると、時には喧嘩をしたり様々なことでぶつかってしまうこともあるが、その都度話し合い、困った時は助け合って絆を深めていくのだ。これからもそんな子ども達の姿を見守りながら、必要な時は手を差し伸べられる様、援助していける時間を作っていきたい。

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